表面利回り12.21%でも手残りは月6万円?不動産投資初心者のためのキャッシュフロー完全ガイド
「家賃収入が入れば、ローンを返しながら毎月利益が残るはず」 不動産投資の初心者が販売図面を見ると、表面利回りや満室想定家賃に目を奪われがちです。しかし、空室、管理費、固定資産税、修繕、ローン返済まで差し引くと、予想より現金が残らない物件もあります。 さらに見落とされやすいのが、オーナー自身の作業時間です。毎月の入金確認、明細転記、滞納チェック、修繕連絡に追われる状態は、帳簿上の利益が出ていても「不労所得的な自動化資産」とは呼びにくいでしょう。 この記事では、初心者が不動産投資のキャッシュフローを計算する順序を、具体的な物件検討ログとともに解説します。読了後には、次のことができるようになります。 表面利回りと実際の手残りを区別する 空室や修繕を含めたキャッシュフローを計算する 金利上昇などに耐えられるか確認する 入金照合や月次集計を自動化する 人間は例外対応だけを判断する運用へ近づける 免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定物件の購入、売却、融資、税務処理を推奨するものではありません。実際の判断は、不動産会社、金融機関、税理士、司法書士、建築士などの専門家へ相談してください。 不動産投資のキャッシュフローとは キャッシュフローとは、一定期間に入ってきた現金から、実際に出ていった現金を差し引いた金額です。 初心者向けに整理すると、次の3段階があります。 NOI = 実効総収入-物件運営費 返済後キャッシュフロー = NOI-ローン返済額 積立後キャッシュフロー = 返済後キャッシュフロー-将来修繕の積立額 実効総収入 実効総収入とは、満室想定家賃から空室や滞納による損失を差し引き、駐車場代などの付帯収入を加えた金額です。 たとえば、満室なら年間500万円の家賃が見込めても、空室・滞納による損失を50万円と仮定すれば、実効総収入は450万円です。 NOI NOIは「Net Operating Income」の略で、物件運営によって得られる返済前の利益を表します。 実効総収入450万円から、管理費、固定資産税、保険、清掃費などの運営費を年間120万円差し引くと、NOIは330万円です。 返済後キャッシュフロー NOIから年間ローン返済額を引いた金額です。NOIが330万円、年間返済額が240万円なら、返済後キャッシュフローは90万円になります。 ただし、この90万円をすべて使えるわけではありません。数年後の防水工事や給湯器交換に備える資金も必要です。 積立後キャッシュフロー 将来修繕の積立額まで差し引いた、より保守的な手残りです。返済後キャッシュフロー90万円から年間60万円を修繕用に確保すれば、自由に使える現金は年間30万円、月平均2万5,000円です。 この順序で見ると、「家賃が多い物件」と「現金が残る物件」が同じではないことが分かります。 キャッシュフローと不動産所得は別の数字 税務上の不動産所得と、銀行口座に残る現金は一致しません。 国税庁は不動産所得を、次の式で案内しています。 総収入金額-必要経費=不動産所得の金額 固定資産税、保険料、修繕費、減価償却費などは、条件に応じて必要経費になります。一方、ローン返済額のうち元金部分は必要経費になりません。業務用借入金の利息は、一定の条件で必要経費になります。 減価償却費は、建物などの取得費を使用期間に配分する会計上の費用です。計上した月に同額の現金が出ていくわけではありません。 その結果、次のようなズレが生じます。 不動産所得は黒字でも、元金返済が重く現金が減る 減価償却によって所得は赤字でも、口座には現金が残る 修繕用に現金を積み立てても、その時点では必要経費にならない場合がある 工事内容によって、修繕費ではなく資本的支出として扱われる場合がある 税務上の確認には、国税庁「不動産収入を受け取ったとき」と国税庁「必要経費の知識」が参考になります。個別の処理は税理士へ確認してください。 Hiro編集部の物件検討ログを再計算 Hiro編集部が保存している2026年6月29日の候補物件ログには、次の記録があります。 項目 ログの記録 所在地 神奈川県横浜市港北区菊名 物件価格 3,360万円 表面利回り 12.21% 構造・戸数 木造・8戸 築年数 42年 データベース上の残存年数 5年 ステータス 資料請求済み 年間・月間CF 未入力 備考 CF要精査 これは購入後の収益実績ではなく、ポータル掲載情報を保存した一次検討ログです。販売図面、レントロール、入金明細、建物調査結果までは公開されていないため、物件情報の真偽や収益性を独立検証できる資料ではありません。 ...